門信徒とは
これまで日本仏教寺院は「檀家」や「門徒」といったご縁に支えられて、運営されてきました。
うちはどこのお寺の檀家だとか門徒だとかということがあると思いますが、一般的には、家の仏事を
執り行う際に依頼する寺院、つまりは家のご葬儀や法事などがあるときにお参りにやってくる「お寺さん」
との関係を、門徒や檀家というわけです。
では、門徒と檀家にはどんな違いがあるのかというと、
浄土真宗に所属関係がある家=門信徒
浄土真宗以外の宗派寺院との所属関係がある家=檀家
ということになります。
ここでの名称の違いは、浄土真宗という宗派の性格に深くかかわる重要なことだと思うので、
その由来から説明いたします。
まずは「檀家」から
檀家という言葉は、古来インドの言語であるサンスクリット語の「ダーナ」に由来し、その意味は
「ダーナ」に由来し、その意味は「施し与える」、つまりは「布施」のことをいいます。
この「ダーナ」という言葉が中国に渡り「旦那(檀那)」と音写されました。
俗にいうところの「ダンナ」というのはここからきた言葉で、施し与えてくれる人が「ダンナさま」と
いうわけです。このダーナがもとになって「寺や僧を援助する庇護者」のことを「檀家(だんか)」と
いういうようになりました。
檀家という言葉には、出家をした僧侶に対するスポンサー・支援者」といった意味合いがあって、支援する
側とされる側の二つの立場があるように感じられます。
では「門徒」の方はどうかというと、「浄土門の徒(じょうどもんのともがら)」
つまり「南無阿弥陀仏を称えて生きる浄土真宗の信仰者」という意味であって、浄土真宗にみられる
「在家仏教者の共同体」という、宗派の特徴がよく表されているのだと思います。
また、檀家は菩提寺(ぼだいじ)と師弟関係にあり、菩提=覚りを得るための指導をするお寺と、檀家=出資者としてお寺を維持するという関係です。ですので地球の裏側に行っても師弟関係は無くなりません。
逆に門徒は縁のあるお寺、近くのお寺などお付き合いしやすい方法でお寺とつながっても何ら問題はないという事になります。
生前法名(戒名)を受けたいと思えば門徒は京都本願寺のご門主から頂きます。親鸞聖人と師弟関係にあるのですが、戒名はその宗派の本山ではいただけません。なにせ微に入り細に入り指導して仏を目指していきますので、菩提寺のご住職と師弟関係を結ぶ必要があるのです。在家の守る五戒を授け(受戒会)頑張れるように戒名を頂きます。門徒は仏に成るために頑張っているのは阿弥陀様の方なので法名(み教え=仏の救いで仏に成る)という訳です。